2019年1月18日 論文抄読会 宮下和季先生

2019年1月18日 論文抄読会 宮下和季先生

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論文

Health Literacy and Cardiovascular Disease: Fundamental Relevance to Primary and Secondary Prevention: A Scientific Statement From the American Heart Association.Circulation. 2018 Jul 10;138(2):e48-e74..

概要

ヘルスリテラシーは、個人が健康情報をどれだけ理解し、健康関連の意識決定にどれだけ有効利用できるかを示す概念です。心血管病発症に関する観察研究で、収入や学歴などの社会的要因が心血管病の罹患率や死亡率に関与することが知られています。これは、低収入・低学歴に伴うヘルスリテラシー不足が原因であるとみなされ、ヘルスリテラシーは心血管病の一次予防, 二次予防に大きな役割を果たすと捉えられています。元来ヘルスリテラシーは、病気の説明や処方箋の注意に関する患者の読み書き能力を意味していましたが、最近では、意思決定における判断力や健康意識を含む、より広い概念へと変容しています。概念の拡がりの中で、安易にヘルスリテラシーの用語が使われがちなのが問題と捉えられる一方で、疾患予防に真に有効なヘルスリテラシーの本質を探究し、ヘルスリテラシー向上のための患者教育に活かそうとする試みがなされています。

ヘルスリテラシーは米国の医療関係者に特に注目され、米国疾患予防健康増進局(Office of disease prevention and health promotion)では、ヘルスリテラシーを食事, 運動と並ぶ、健康管理の第三の柱とみなしています。その流れの中で、昨年2018年に米国心臓協会(AHA)から、ヘルスリテラシー向上による心血管病予防を目的とした、学術ステートメントが発表されました。今回の論文抄読会ではこのステートメントを取り上げ(Health Literacy and Cardiovascular Disease: Fundamental Relevance to Primary and Secondary Prevention. Circulation. 2018;138:e48–e74.)、心血管病予防ならびに、高血圧や糖尿病などの生活習慣病管理に有効な、ヘルスリテラシー向上策を議論できればと考えています。