宮下和季
研究・臨床
虚血腎における代謝変容の是正による腎不全治療の開発
ヒストンエピゲノム制御を介した高血圧・糖尿病治療の開発
ミトコンドリア活性化によるサルコペニア治療の開発
内分泌代謝内科臨床全般
略歴
1998年3月 | 京都大学医学部医学科 卒業 |
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2006年3月 | 京都大学医学研究科 医学博士号取得 (内分泌代謝内科 中尾一和教授) アドレノメデュリンの虚血脳における血管-神経再生作用とその治療応用に関する研究 |
2006年4月 | 日本学術振興会 特別研究員 (PD) |
2007年7月 | 慶應義塾大学医学部腎臓内分泌代謝内科 特別研究助教 |
2009年7月 | University of California San Francisco, Department of Laboratory Medicine (Visiting assistant professor) |
2011年4月 | 慶應義塾大学医学部腎臓内分泌代謝内科 特任講師 |
2016年10月 | 同上 専任講師 |
2017年4月 | 同上 特任准教授 |
当科の研究の魅力・特徴は?
誰もが特別なOnly one – みんな独創性の高い研究を進めています。
研究を始められた理由は?
研究をすれば、病気をなくせると信じていたからです。
当初から“血管”の研究をすると決めていました。感染症, 悪性腫瘍, 虚血性疾患のうち、人知を結集してメカニズムを研究することで、対策を講じられるのは虚血性疾患だと信じていたからです。現在は虚血性疾患のみならず、生活習慣病全般の新規治療法の開発に向けて、ミトコンドリア代謝に焦点を絞った研究をすすめております。
腎臓・内分泌・代謝領域の研究の特徴・魅力は?
自分のペースで研究を進められることです。
大学での研究の目標は、博士号取得にありますが、研究にそれ以上の無理強いはないです。興味の赴くまま、みんな自分の好きなペースで研究をすすめています。自発的かつ自律的であることが、当科のカラーです。成果主義的ではないです。
臨床医が研究をすることの意義・メリットは?
1. 違うルールに支配される世界を知れます。その結果、自分の世界が広がります。
臨床はエビデンスに基づき確立した対応を、実際の患者に応用する世界です。それに対して基礎研究はまだわかっていないこと、確立していないことに対する挑戦です。定石、搦め手、勝負手などいろいろな手法がありますが、研究の世界では様々な方法論にトライできます。患者さんには、好き勝手試すわけにはいきません。研究は、自分の可能性をいろいろ試して、使える持ち駒を増やす作業であると理解して下さい。
2. 人に感動を与えることができます。また、人に感動を与えよう、とのモチベーションを保つことができます。
3. うまくいかないのが当たり前の世界です。つらくても平気でいられますし、何とか打開しようと前向きな気持ちになる習慣がつきます。
後輩医師・医学部生へのメッセージ
– 腎臓内分泌代謝内科の臨床の特徴と魅力について –
臨床に関しても、ひとこと述べさせてください。内科医にとって、専門性が重要なのは言うまでもないですが、それと同時に患者のどんな訴えにも共感し、医学的に対応できる素養も重要ではないでしょうか。いわばオールマイティー医の理想に近づけるのが、腎臓内分泌代謝内科です。腎臓内科と糖尿病内科は、そのどちらも患者の生活習慣にまで踏み込み、生涯にわたるケアを行う診療科です。腎機能の悪化防止や、良好な血糖値の維持のためには、医者の考えやエビデンスを大上段に振り回すのではなく、患者さんの立場を踏まえて、最適かつ持続可能な医療を提案する力量が求められます。患者オリエンテッドである点が腎臓内分泌代謝内科の特徴で、各科の中でも際立っています。親身さが売りの町のお医者さんの良さを残しつつ、最先端の医療を提供できる点が腎臓内分泌代謝内科の魅力です。腎臓内分泌代謝内科の専門性を究めるだけでなく、総合内科的観点から患者の診療にあたりたい方や、あるいは将来開業して親身な医療を提供したいとの展望がある方にとっても、腎臓内分泌代謝内科はその期待に見合うものと確信しております。