石黒喜美子

国際医療福祉大学医学部 腎臓・高血圧内科 講師

専門分野

腎臓・高血圧、糖尿病

略歴

群馬大学卒、慶應義塾大学医学部大学院修了、医学博士
平成14年4月 慶應義塾大学病院 内科 研修医
平成18年4月 慶應義塾大学医学部 腎臓内分泌代謝内科 助手/助教
平成21年4月 虎の門病院 内分泌代謝科 内分泌代謝科
平成26年4月 国際医療福祉大学 三田病院 腎臓・高血圧、糖尿病内科 医員
平成29年4月 国際医療福祉大学医学部 腎臓・高血圧内科 講師

当科の医局としての魅力もしくは臨床の魅力は?

諸先生方が素晴らしく、楽しい雰囲気の中、臨床も研究も充実していること、幅広い内科疾患を診られ、疾患を通して患者さん全体と向き合う、まさに「木をみて森をみる」科であることです。

他部門で御活躍の先生の視点で、当科の長所、魅力は?

私は、腎臓と糖尿病を学びそれぞれ専門医を取得しましたが、これは伊藤教授の「メタボリックドミノ」の提唱に触れたことがきっかけです。卒後、腎臓内科を専攻しましたが、例えば、慢性腎不全で透析導入となる方の4割以上は糖尿病が背景で、腎臓内科は腎不全が進行してから診るため、そこから腎機能を改善させることは難しかったり、透析患者さんの糖尿病加療が十分でないことがあったり、もどかしさを感じることが多々ありました。しかし、メタボリックドミノの中で両者は一つの共通概念であり、伊藤教授が、これからは両方を診られる医師を育成したいと就任時に宣言された(教授は「マーメイドプロジェクト」とおっしゃっていました)ことで、パッと目の前が開け、改めて糖尿病の研修をさせて頂きました。両方を学んだことで、臨床力は格段に向上したと思います。腎臓と糖尿病は、科として異なる場合が多いのですが、当科は腎臓内分泌代謝内科として一つであり、その意義は極めて大きいと思います。

また、臨床だけでなく研究が盛んで一流であることも当科の魅力です。高血圧や糖尿病などは、臨床医学と、生理学・分子生物学に基づいた基礎医学の両者が重要で、臨床で感じたことを基礎研究や疫学研究で検証するなど、臨床と研究が近い分野と思います。私は、アンジオテンシン受容体拮抗薬を投与してレニンアンジオテンシン系を抑制することで、投与中止後も降圧・腎保護効果が持続される、いわゆる「メモリー現象」の研究をさせて頂きましたが、これも臨床の中で生まれた発想でした。ご指導頂きました先生方のお蔭で、学会発表など得難い経験も多くでき、伝統ある米国心臓協会(American Heart Association)のCouncil on Hypertensionで受賞したことは一番の思い出です。

医局の雰囲気は明るく、医局旅行、国内外の様々な学会への参加など、本当に楽しかったです。諸先輩方や同僚、後輩にも恵まれ、一生の宝になりました。

最後に、最近は、学位や専門医取得と結婚、出産、育児の両立に悩む方も多いと思います。当科は、その点でも十分配慮されており、やる気さえあれば、臨床や研究を続けやすい環境です。私も医局の先生方のお蔭で両立して継続でき、腎臓、糖尿病、高血圧、透析などの専門医を取得し、専門性を活かして患者さんと接する一方、指導医や講師として教育に携わるなど、充実しており、この科を選択して本当に良かったと思っています。

後輩医師・医学部生へのメッセージ

若い時に一流、本物に触れること、臨床、研究ともたくさんの引き出しを持つことが、医師として大きく成長する土台になると思います。ぜひ入局されて充実した教育を受け、貴重な経験を積み、素晴らしい医師になってください。