レジデント(後期研修医)の声

一廉の腎臓内科医を目指して

中村彰良(腎臓内科、慶應義塾大学 卒)

大学生時代に内科学の授業を受けた時、自分にとって腎臓内科のイメージは、電解質と病理を相手ににらめっこする科でした。しかし、初期臨床研修で腎臓内科をローテートした際にそのイメージは大きく覆りました。電解質異常やネフローゼ症候群、慢性腎臓病などといった病態に対する深い洞察だけでなく、時に救命救急センターと連携して緊急透析を実施したり、各診療科から急性腎障害のコンサルテーションを受ける姿は、幅広い腎臓内科の働き方を教えてくれました。腎臓内科を専攻することを決め、医師3年目に慶應義塾大学腎臓内分泌代謝内科に入局しました。そこから川崎市立川崎病院、佐野厚生総合病院、東京都済生会中央病院での勤務を経て、大学へ帰室しました。大学に入局したことで得られたことは多かったと思います。ひとつは、医局の紹介で有意義な経験をたくさん積み重ねることが出来ました。それぞれの病院に強みがあり、各領域のスペシャリストから知識を吸収する貴重な機会を得ることができました。また、当医局は規模も大きく、懐の深さを感じることがあり、ライフスタイルに沿った勤務地の選定や途中入局者も広く受け入れています。また、腎病理、シャントPTA、腹膜透析など自分の極めたいと思う領域があれば、そのスペシャリストの下で自身の希望に沿って集中的に学ぶことができます。そして、腎臓内科と内分泌代謝内科が同一医局にあり両領域の研鑽を積めることは、連携の必要な場面の多い臨床現場で日々役立つとともに、共同研究の出発点になっています。これらも規模の大きい当医局だからこそなしえる魅力だと思います。一方で、カンファレンスの議論は活発で小医の些細な疑問にも丁寧に答えてもらえるような、きめ細やかな医局でもあります。自分は一廉の腎臓内科医を目指すべく、まだまだ精進を重ねていく身です。一緒に腎臓内科を志す皆さんが医局の扉を叩いていただけることを心待ちにしています。

臨床から研究まで幅広く、自由に専門性を高めていくことができるところが魅力です

吉田英莉子(腎臓内科、慶應義塾大学 卒)

専攻医期間は、内科ローテーションを経た後に、腎臓内科専攻医として病棟業務や透析センターでの業務に携わります。私は後期研修の最初の2年は関連病院(東京医療センター、埼玉メディカルセンター)で研修をした後、医師5年目からは大学病院に帰室しました。いずれの病院でも、腎臓内科専門医として十分な腎炎、ネフローゼ症候群、高血圧診療、電解質異常、透析治療など様々な疾患を経験することができました。 
大学に帰室後は、大学ならではの示唆に富む症例を他科との連携の上で診たり、シャントPTA、腹膜透析、腎病理、内分泌疾患など、自分の興味のある分野を深堀りして学び、腎臓内科医として力をつけていくことができます。アカデミアとして基礎研究、臨床研究共に力を入れており、スタッフの先生からご指導いただきながら国際学会での発表の機会もあり、希望すれば留学できる環境も整っております。 やりがいがある分忙しいときもありますが、休む時にはしっかりと休むことができ、例えば結婚や出産などのライフイベントが重なった際にも非常に働きやすいと感じました。同期や若手の先生方が多いので、お互いに刺激を受けながら楽しく働くことができるのも医局の良さの一つです。 
林教授を始めスタッフの先生方が、各医局員がその時に優先したいことを一緒に考えて下さる雰囲気が現医局の一番の魅力ではないかと思い、後輩の先生方にもお勧め致します。多様性のある仲の良い雰囲気を是非見学にいらしてください。

内分泌代謝の世界に飛び込んでみませんか?

三角昂之(内分泌代謝内科、慶應義塾大学 卒)

私は初期臨床研修を経て、当大学の内分泌代謝内科を選択しました。代謝領域と内分泌領域の二つの側面がある内科領域ですが、特に代謝領域はどの科にいても出会うほど患者数も多い領域です。初期臨床研修や後期研修を通して救急外来で搬送されてくる心筋梗塞や脳梗塞、足壊疽などを診療する中で、糖尿病や脂質異常症、高血圧症のバックグラウンドがあることも多く、予防医療の重要性を感じました。治療選択肢が増えてきている昨今、糖尿病ひとつをとっても治療の専門性は高く、この領域に身をおき、こうした緊急を少しでも減らせたらと考えるようになりました。一方、内分泌疾患は市中病院で出会うことは少なく「難しい」と言う印象を持っておりましたが、学ぶほどにロジカルで興味深い領域で今は楽しく勉強しております。幅広い内科領域の中で、内分泌代謝の共通するところはどちらも「数字の向こう側を見れること」であると思います。血糖値はあくまで数字ですが、年齢やADLなど個々の患者さんに目標値があり、合併症予防など目指すところは数字を良くすることの先にあります。ホルモンも「いつ」「どんな患者さんから」「どんな状況」でとったもので、その状況下でどうかを評価し考えていきます。数字を通して人を見て、深く病態を理解できるところに魅力を感じています。
慶應義塾大学の内分泌代謝内科に入局後は、さいたま市立病院、都立大塚病院を経て大学へ帰室しました。内科医として必要不可欠のジェネラリストとしての研鑽、またスペシャリストとして必要な勉強をすることができました。当大学は関連病院も多く、優秀な先輩方から症例と共に体系立てて学べることができることに魅力を感じています。腎臓領域の先生が同じ医局の仲間であり、合併症や電解質異常なども気軽に相談できる環境も特徴です。もちろん超選択的副腎静脈サンプリングやアルドステロン産生腺腫に対するラジオ波焼灼術など大学病院でしかできない経験もできます。途中入局や他科から転科した先生もおり、多くの選択肢とそれをサポートしてくれる環境があります。自分の将来の目標がある人でも、経験を積みながら考えたい人にも適した医局です。内科医が減っている中で、特に内分泌代謝を選ぶ先生が当大学を選んでくれたら幸いです。

一度見学にきていただき、当科の雰囲気を感じてみていただければ幸いです

増田佳奈子(内分泌代謝内科、東京女子医科大学 卒)

私は後期研修医として約二年間市中病院で研修し、その後大学病院での研修を開始しました。
市中病院では各科をローテーションしながら、各科における基礎や手技を習得しました。研修中に内科専門医取得に必要な症例は十分に集めることが可能でした。加えて地域密着型の医療を学ぶ中で、生活習慣病や甲状腺疾患など当科としてのcommon diseasesを経験することができました。大学病院では市中病院とは異なり、専門性の高い疾患が集まってくるため、希少疾患を数多く経験することができました。
内分泌代謝は教科書で勉強すること以上に、実症例を経験して初めて疾患毎の些細な特徴や特色が見えてくることが多い分野であると思います。その中で出てくる疑問はスタッフの先生方にいつでも相談することができ、知識はもちろん、経験に基づいたアドバイスなどもいただくことができるので大変勉強になります。もちろん、サブスペシャリティとしての内分泌症例の収集には困らないと思います。
当科は腎臓・内分泌・代謝の3つの科があり、オーバーラップしている疾患が多いのはもちろんのこと、同じ症例や疾患でも見方や解釈の仕方が異なっている点が興味深く、回診やカンファレンスは貴重な勉強の場です。所属科を問わず困ったことがある場合にはスタッフの先生方にいつでも気軽に相談できます。スタッフの先生方は皆優しく聡明であり、またライフステージも様々であるため働き方も多種多様であるので、性別を問わずロールモデルとなる先生方が大勢いらっしゃいます。また、当科は私のような他大学・他医局出身者でも全く垣根を感じず、温かく迎え入れてくださる温かい雰囲気の医局です。ぜひ一度見学にお越しいただき、医局の雰囲気を感じていただければと思います。