内分泌代謝領域における疾患と症状

代謝領域疾患

糖尿病

糖尿病とは、インスリンの作用が十分でないために、血液中のブドウ糖値(血糖値)が不適切に高くなっている状態であり、この血糖の増加が全身にいろいろな影響を与えます。血糖が増加すると、口渇、多飲、多尿などの症状が認められます。また、体重が減少したり、体がだるいと感じたりすることがあります。さらに、心臓や脳などの血管を傷つけ、さまざまな臓器障害を引き起こします。
成因によって、以下に分類されます。

  1. 1型糖尿病
  2. 2型糖尿病
  3. その他の糖尿病
    maturity-onsetdiabetesoftheyoung(MODY)
    ミトコンドリア糖尿病
    膵性糖尿病
    ステロイド糖尿病
    など
  4. 妊娠糖尿病

脂質異常症

脂質異常症は血清LDLコレステロール値140mg/dl以上、あるいは中性脂肪値150mg/dl以上、あるいはHDLコレステロール値40mg/dL未満で診断されます。このような状態では、アキレス腱の肥厚を認めたり、また急性膵炎や虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞など)の危険性が高くなります。
以下に分類されます。

  • 原発性脂質異常症
  • 続発性脂質異常症
  • 家族性高コレステロール血症
  • 家族性複合型高脂血症

肥満症

肥満とは脂肪組織に過剰に脂肪が蓄積し、体格指数(Body mass index;BMI;体重(Kg)÷身長÷身長(m))が25以上のものを指します。さらに肥満に伴い、いくつかの健康障害(合併症)がある場合や健康障害を起こしやすい内臓脂肪蓄積がある場合に肥満症と診断されます。肥満症の治療の基本は、脂肪を減らし体重を減らし、肥満に合併する疾患を予防・改善することです。
以下のように分類されます。

原発性肥満
二次性肥満
  1. 遺伝性肥満
  2. 内分泌性肥満
  3. 視床下部性肥満
  4. 薬剤による肥満

内分泌領域疾患

ホルモンの異常によって発症する疾患を内分泌疾患といいます。ホルモンの量が多いと機能亢進、ホルモン過剰となり、一方でホルモンの量が減ると、機能低下、ホルモン欠乏となり、体の様々な部位に変化をきたします。

間脳・下垂体疾患

間脳下垂体は両眼と両耳を結んだ線のところに脳にぶら下がった形で小さなホルモン臓器であり、8種類ほどのホルモンが出て、全身の内分泌臓器にはたらきます。
むくみがち、体重が増える、生理が不規則、骨折しやすい、脱力感、筋力低下、多尿、出血しやすい、うつ気分、食欲不振等の症状があります。
代表的な疾患に以下があります。

  • 先端巨大症 
  • クッシング病 
  • プロラクチノーマ 
  • 下垂体機能低下症 
  • ACTH単独欠損症
  • 成人成長ホルモン分泌不全症
  • 中枢性尿崩症 
  • リンパ球性下垂体炎
  • 非機能性下垂体腺腫

副腎疾患

腹部の左右の腎臓の上にかぶさる形で、ソラマメ型の副腎があります。血圧維持やストレス時に必要なステロイドホルモンを合成・分泌します。副腎疾患では、汗をかきやすい、イライラする、便秘になりやすい、むくみがち、体重が増える、骨折しやすい、脱力感、筋力低下、出血しやすい、うつ気分、食欲不振等の症状が認められることがあります。
代表的な疾患に以下があります。

  • 原発性アルドステロン症
  • クッシング症候群
  • 褐色細胞腫
  • 副腎偶発腫瘍
  • アジソン病
  • 先天性副腎皮質酵素欠損症