「腹膜透析(PD)カテーテルに対するアレルギー反応がPD患者のアウトカムに与える影響の検討」に対するご協力のお願い

このたび当院では上記の医学系研究を、医学部倫理委員会の承認ならびに病院長の許可のもと、倫理指針および法令を遵守して実施しますので、ご協力をお願いいたします。

なお、今回の研究では、患者さんから同意取得が困難な対象となる患者さんへ向けて、ホームページで情報を公開しております。
なお、この研究を実施することによる、患者さんへの新たな負担は一切ありません。また患者さんのプライバシー保護については最善を尽くします。

以下、研究の概要を記載しておりますので、本研究への協力を望まれない患者さんは、その旨を「8 お問い合わせ」に示しました連絡先までお申し出下さいますようお願いいたします。

1 対象となる方

本研究の対象となる患者さんは、2008年1月から2018年6月までの間に、当院(慶應義塾大学病院)でPDカテーテルを挿入された患者さんです。

2 研究課題名

承認番号 :20200139
研究課題名:腹膜透析(PD)カテーテルに対するアレルギー反応がPD患者のアウトカムに与える影響の検討

3 研究実施機関

慶應義塾大学病院 腎臓内分泌代謝内科

4 本研究の意義、目的、方法

PDカテーテルは長期にわたり腹腔内および皮下に留置されることから、身体に対する親和性(生体適合性と言います)が非常に重要です。

現在広く用いられるシリコン製のPDカテーテルは、非常に生体適合性に優れたものですが、一方で生体にとって異物であることは事実であり、少なからず異物反応、またはアレルギー反応が生じることが知られております。

アレルギー反応として、一般的には血液における好酸球数の増加が生じますが、同時に腹膜透析液中の好酸球数が増加することも報告されており、反応が著明な場合は好酸球性腹膜炎という合併症をきたすことが有名です。

一方で、PDカテーテルに対するアレルギー反応が著明ではなかったとしても、PDカテーテルは前に述べた通り長期にわたり留置されていることから、その反応がPD患者の転帰に影響する可能性は否定できません。しかし、PDカテーテルに対するアレルギー反応と、PD患者さんの転帰についての関連を解析した報告はありませんでした。

そこで本研究では、PDカテーテル挿入に伴うアレルギー反応と、PD患者さんの転帰との関連について検討することを目的とします。具体的な方法として、PDカテーテル挿入に伴うアレルギー反応を、挿入前後における好酸球数の比率を計算することで推定・定量化します。そしてその値と、PD患者さんにとって重大なアウトカム、すなわちPD継続期間、腹膜炎発症までの期間、または心不全による入院までの期間などとの関連について調査いたします。

5 協力をお願いする内容

利用させていただくカルテ情報は下記です。以下の観察項目を電子カルテからデータ抽出します。新たなサンプルの取得は一切ございません。

PDカテーテル挿入時のデータ

背景情報:年齢、性別、末期腎不全の原疾患、合併症の有無、アシストPDの有無、身長・体重、BMI、血圧など

血液データ:挿入前後の好酸球数、アルブミン、補正カルシウム、リン、副甲状腺ホルモン、BNP、ヘモグロビン、CRP、尿素窒素、クレアチニン、eGFR値など

尿検査データ:蛋白定性、潜血反応、尿蛋白/尿Crなど

その他のデータ:腹膜平衡試験の結果(D/P cre、D/D0)など

フォローアップのデータ

PDの離脱(血液透析への移行)、死亡・移植・腎機能回復に伴うPDの終了、腹膜炎発症、心不全による入院、出口部トンネル感染(および感染に対する外科的介入)など

6 本研究の実施期間

研究実施許可日(通知書発行日) ~2020年10月31日

7 プライバシーの保護について

1) 本研究で取り扱う患者さんの個人情報は、氏名および患者番号のみです。その他の個人情報(住所、電話番号など)は一切取り扱いません。
2) 本研究で取り扱う患者さんの情報は、個人情報をすべて削除し、第3者にはどなたのものか一切わからない形で使用します。
3) 患者さんの個人情報と、匿名化した情報を結びつける情報(連結情報)は、当院における本研究の個人情報管理者(医学部臨床研究推進センター 中谷 英章)が研究終了まで厳重に管理し、研究の実施に必要な場合のみに参照します。また研究計画書に記載された所定の時点で完全に抹消し、破棄します。

8 お問い合わせ

本研究に関する質問や確認のご依頼は、下記へご連絡下さい。
また本研究の対象となる方またはその代理人(ご本人より本研究に関する委任を受けた方など)より、情報の利用の停止を求める旨のお申し出があった場合は、適切な措置を行いますので、その場合も下記へのご連絡をお願いいたします。

実施施設
慶應義塾大学病院 〒160-8582東京都新宿区信濃町35
研究分担者
内山 清貴  腎臓内分泌代謝内科
連絡先
電話番号:03-5363-3796
FAX:03-3359-2745
E-mail:kiyo.0817.piyo@keio.jp

※ご連絡は可能な限り診療時間中 [月曜日〜金曜日および第2・4・5週の土曜日(ただし祝日は除く)、午前8時40分から午後4時30分] にお願いいたします。