「難治性副腎疾患の診療に直結するエビデンス創出研究(JRAS)」 研究実施の公開と参加のお願い
国立病院機構京都医療センター 臨床研究センター 成瀬光栄
国立病院機構京都医療センター臨床研究センターでは公的な研究費(日本医療研究開発機構研究費 難治性疾患実用化研究事業、国際医療研究開発費、厚生労働省難治性疾患政策研究事業など)により全国の多数の大学や病院と共同して、原発性アルドステロン症などの難治性副腎疾患に関する臨床研究を行ってきましたが、さらなる病態解明や治療法の確立のため、倫理審査委員会の審査と病院長の許可を受けて、平成30年から難治性の副腎疾患に関する研究「難治性副腎疾患の診療に直結するエビデンス創出研究(JRAS)」を行っています。
難治性副腎疾患は診療水準の向上が必須の疾患群で、多数の患者さんの診療情報、試料を利用することにより、診療水準向上に役立つ検査法、判断法、治療法を確立することが目的です。このホームページは対象者に該当する可能性のある患者様に研究実施とその内容を情報公開し、研究へのご協力をお願いするためのものです。
もし、この研究への参加を希望されない場合には研究不参加とさせて頂きますので、患者様またはその代理人の方から、下記の連絡先にお申し出ください。お申し出になられても、診療を受ける上で不利益を被ることは一切ございませんのでご安心ください。
(注釈:「エビデンス」とは医療行為の「科学的根拠」を指します)
【難治性副腎疾患の診療に直結するエビデンス創出研究について】
研究の名称 | 難治性副腎疾患の診療に直結するエビデンス創出研究(JRAS) |
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当病院の研究責任者 | 京都医療センター 臨床研究センター 成瀬光栄 |
研究期間 |
2018年4月~(2021年7月) この研究全体の実施期間は、研究機関の長による許可を受けた日から永年を予定しておりますが、3年ごとに研究計画の見直しを行い、研究継続の妥当性について審査します。継続的な対策である難病プラットフォーム研究(後述)と連携し、将来的に永年調査研究を実施する可能性があります。 なお、この研究が倫理的・科学的に適正でないという情報が得られた場合や、倫理審査委員会の判断で研究を中止すべきと判断された場合は、研究代表者がこの研究全体の中止を検討し、研究機関の長が研究を中止することがあります。 |
研究期間 |
・難病の原因究明や治療法確立の推進には、患者さんの症状や検査結果などの「臨床情報」や血液や尿などの「生体試料」、さらにはその解析データを効率的に収集し、医学研究へ応用していく取り組みが必要です。しかし、難病は患者数が少なく、また患者さんの同定やその情報収集は極めて困難であることから、研究に必要な臨床情報や生体試料を収集するまでには大変な時間と費用がかかり、診断法や治療法に関する研究が進まないことが問題となっています。 ・この課題を克服する方法として、あらかじめ多数の患者さんに臨床情報をご提供いただき、それを保管しておくこと(バンク、コレクション、レポジトリなどの名称で呼ばれることもあります)により、研究が計画された際、ただちに必要な臨床情報や生体試料を用いた研究を開始できるようにする取り組みがあり、医学研究において必須と考えられています。海外では、難病患者さんの臨床情報を集約し、疾患原因の特定や治療法の開発に役立てようという動きがあり、イギリスやアメリカでは実際に研究成果も出始めています。しかしながら、それぞれの疾患には日本人特有の要素(遺伝要因、環境要因など)が多くあることから、日本人の患者さんの臨床情報と生体試料を収集することが重要です。 ・日本国内でも、難病研究に関心が寄せられつつあり、平成27年1月に施行された「難病の患者に対する医療等に関する法律」では、難病患者さんに対する医療助成、データの収集、調査及び研究の推進等が制度化されました。平成27年1月、平成29年4月と相次いで指定難病が追加され、平成29年9月現在の指定難病は330疾病となっています。このように国内外で難病患者さんの情報を集約し研究に役立てる動きが活発化しています。 |
研究の目的 | 難治性副腎疾患は質の高い診療法の確立が必須ですが、わが国独自のエビデンス(科学的根拠)は十分ではありません。本研究では私たちが構築してきたこれら疾患の患者さんの登録データベース(疾患レジストリと呼びます)を拡充・活用し、多数の患者さんの診療情報を用いて実際の診療に役立つエビデンスを創出、診療の基礎となるガイドラインの質を向上することを目的としています。さらに診療の一環として既に得られ保管されている既存試料(手術された副腎組織、病理組織標本、血漿など)を用いて、診断や治療方針の決定に役立つバイオマーカー(生物学的な指標)を探索、確立することも目的としています。 |
対象 | 2006年1月以降、京都医療センターあるいは共同研究施設を受診し、日本内分泌学会の診断基準(あるいはそれに準じる基準)で原発性アルドステロン症、褐色細胞腫・パラガングリオーマ、クッシング症候群、サブクリニカルクッシング症候群、ACTH非依存性大結節性副腎過形成褐色細胞腫、クッシング症候群、サブクリニカルクッシング症候群、ACTH非依存性大結節性副腎皮質過形成(AIMAH)、副腎皮質癌、あるいは非機能性副腎腫瘍と診断された患者さんです。男女の性別は問わず、年齢は20歳以上90歳以下の方が対象です。また、対照として一部の施設(京都医療センターのみ)における本態性高血圧の患者さんも対象となります。診療の一環として得られた既存試料(手術による副腎組織、病理組織標本、血漿など)も検討の対象となります。 |
方法 | 診療記録から副腎疾患に関する情報を定期的に収集、WEBサイト(セキュリティが十分に確保されたサーバー)に登録し、定期的に結果を整理、解析することにより、様々な臨床的に重要な課題に対する客観的な根拠をとりまとめます。既存の試料(凍結保存した副腎組織や血漿、病理標本)において蛋白やステロイドの分析を行い、診断・治療に役立つ検査法の開発に活用します。すべての試料・情報は匿名化(患者様個人が同定されない処理)した上で活用、提供されます。 |
活用、共有・提供する試料・情報の項目 |
・診療情報:診断名、性別、生年月、発症年月、診断年月、合併症、身長、体重、血圧、脈拍、血液検査、尿検査、内分泌学的検査、心電図、画像検査(胸部X線、CT, MRI、副腎シンチグラフィなど)、内臓脂肪面積、治療内容(手術、薬物治療など)、臨床経過、転帰、有害事象、QOL (SF-36)など 。これらの検査や治療はすべて学会のガイドラインなどに沿って、通常の診療の一貫として実施されたものです。 ・医療費に関するレセプト情報 ・試料 ・将来の臨床情報 |
活用、共有・提供する試料・情報の範囲 |
・日本医療研究開発機構(AMED(エイメド))研究費 難治性疾患実用化研究事業 難治性副腎疾患の診療に直結するエビデンス創出(JRAS)研究班:研究代表者 国立病院機構京都医療センター臨床研究センター 成瀬光栄 ・国立研究開発法人国立国際医療研究センター 国際医療研究開発費「難治性および悪性副腎疾患の疾患コホート形成と診療の質向上に資するエビデンス創出」(30指1008)(ACPA-J)研究班:研究代表者 国立国際医療研究センター 糖尿病内分泌代謝科 医長 田辺晶代 ・共同研究参加施設 1)研究開発分担者
○研究開発分担者 ○研究開発協力者
東京大学医学部附属病院 腎臓・内分泌内科 藤田 恵 |
倫理委員会の承認 | 京都大学医の倫理委員会(中央倫理委員会)の審査を受け、各施設の長の許可を得て実施、あるいは各施設の倫理審査委員会の承認を得て実施します。 |
予想される研究の効果と副作用について |
・診療水準の向上 ・研究の進展・迅速化 ・日本人に合った医療の提供 ・臨床試験・治験に参加する機会が増加する可能性 ・疾患の最新情報の入手 ・より詳細なフォローによる健康管理 ・本研究では薬剤を用いた試験は実施しませんので、副作用はありません。 |
運営資金・利益相反 |
・日本医療研究開発機構(AMED)の難治性疾患実用化研究事業研究費及び国立国際医療研究センター国際医療開発研究費)、厚生労働省の難治性疾患政策研究事業研究費により実施されています。 ・この研究を行う研究者は、この研究の実施に先立ち、個人の収益等、この研究の利益相反※に関する状況について各病院の長に報告し、透明性を確保しています。 ※ 利益相反:研究の実施に際して、外部組織との経済的な利益関係などによって、公正で適正な判断が損なわれている状態または損なわれるのではないかと第三者から疑われる状態になることがあります。このような状態を「利益相反」といいます。 |
費用に関して |
・本研究は通常診療に基づく情報あるいはすでに保存されている組織などの試料を用いることから、保険診療の負担分(通常の外来受診料)以外に患者様には新たな費用負担は発生しません。 ・この研究を行う研究者は、この研究の実施に先立ち、個人の収益等、この研究の利益相反※に関する状況について各病院の長に報告し、透明性を確保しています。 ・あなたの臨床情報を提供いただいても謝礼はございません。 |
試料・情報の二次利用について |
・本研究は各難病の研究に必要な支援を行う日本医療研究開発機構(AMED(エイメド))の研究事業「難病プラットフォーム」と連携しており、IDで管理されたあなたの臨床情報や生体試料を集約・蓄積し、最終的に他の難病レジストリ研究の患者さんの情報とともに、難病プラットフォームに共有、半永久的に保存されます。 ・更に、あなたの試料・情報は、難病プラットフォーム以外の研究機関(以降、二次利用機関といいます)に共有されることがあります。あなたの臨床情報を二次利用機関へ共有する際は、提供先の研究計画が科学的・倫理的に妥当な内容か、あなたに不利益がないか、医学研究に関する倫理指針を遵守した内容であるかについて、難病プラットフォームの運営委員会で審査し、そこで認められた二次利用機関のみが、あなたの臨床情報を共有することができます。二次利用機関は、承認された範囲を超えてあなたの臨床情報を利用することが禁じられています。二次利用が許可された場合は、その目的あるいは研究課題につき可能な範囲でホームページにて情報公開を行います。 |
難病プラットフォームに試料・情報を共有・提供する目的・方法 |
本研究で収集した情報・試料を他の希少難治性疾患のデータと統合することで、将来的に病態解明及び新規治療法の開発を推進することが可能になります。過去に収集した試料・情報について、個人が特定できないように匿名化した上で共有・提供します。 |
本研究に二次利用される研究 |
既に倫理審査委員会に承認されている臨床研究
1)「重症型原発性アルドステロン症の診療の質向上に資するエビデンス構築」(JPAS)(京都医療センター承認番号15-039:2015年5月承認、二次利用承認日 2018年3月) |
公開データベース登録の可能性 |
将来的に、あなたの情報であることを完全に分からなくした情報を公開データベース※に登録することを考えています。できる限り多くの患者さんのデータを国内外で共有し、比較することにより、難病研究が進むと期待されるからです。 |
学術発表 |
この研究により得られた結果を、国内外の学会や学術雑誌及びデータベース上等で、発表させていただく場合がありますが、あなたの情報であることが特定されない形で発表します。 |
知的財産権の帰属 |
本研究により知的財産権(特許権や経済的利益など)が生じる可能性がありますが、その権利は研究資金提供組織である国、研究機関、研究者及び民間企業を含む共同研究機関などに属し、患者さんには帰属しないことをご理解ください。 |
研究参加の辞退および同意の撤回 |
・この研究への参加はあなたの自由な判断にて行っていただきます。本研究への参加(診療情報・試料の利用・提供)を希望されない場合は辞退することができます。また、いったん参加に同意(不同意を表明していない場合を含む)していても,原則的にいつでも同意を撤回あるいは不同意を表明することができますので下記までご連絡ください。 ・同意を取り消したこと(不同意を表明することを含む)で、その後の診療・治療等であなたが不利益を被ることはありません。 |
試料・情報の管理責任者 |
国立病院機構京都医療センター 臨床研究センター 成瀬光栄 |
研究に関する問い合わせ先、試料・情報の活用及び共有・提供を希望しない場合等の連絡窓口 |
京都医療センター 臨床研究センター 成瀬光栄 |
【難病プラットフォームの研究】
研究の名称 |
難病レジストリの網羅的情報基盤構築によるデータの統合と活用促進に関する研究 |
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研究の目的 |
様々な希少難治性疾患のデータを横断的に統合することで、類似疾患との比較検討を可能にして、将来的に病態解明及び新規治療法の開発を推進する。 |
研究代表者 |
京都大学大学院医学研究科附属ゲノム医学センター |
研究期間 |
2018年4月~ |
利用する試料・情報の項目 |
臨床情報、オミックス情報(ゲノム情報を含む) |
ホームページ | https://www.raddarj.org |
既に終了している研究の残余生命体資料を用いる研究
【副腎組織中アルドステロン合成酵素の発現・局在の検討(※過去に実施した研究)について】
研究の名称 |
副腎組織中アルドステロン合成酵素の発現・局在の検討 |
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当病院の研究責任者 |
京都医療センター 臨床研究センター 成瀬光栄 |
研究期間 |
2018年3月19日~2019年3月31日 |
活用する内容 |
副腎疾患(クッシング症候群、非機能性副腎腺腫、褐色細胞腫など)、腎がんにて合併切除された副腎の組織の残余検体と臨床情報 |
「難治性副腎疾患の診療に直結するエビデンス創出」研究で試料・情報を活用する目的・方法 |
・目的 ・【方法】 |
「難病プラットフォーム」に試料・情報を共有・提供する目的・方法 |
・目的 ・【方法】 |
試料・情報の管理責任者 |
京都医療センター 臨床研究センター 成瀬光栄 |
試料・情報の管理責任者 |
京都医療センター 臨床研究センター 成瀬光栄 |
研究の名称 |
副腎腫瘍の早期診断バイオマーカー開発に関する研究 |
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当病院の研究責任者 |
東京医科歯科大学 分子内分泌代謝学分野 山田哲也 |
研究期間 |
2016年5月24日~2018年3月31日 |
活用する内容 |
副腎疾患(クッシング症候群、非機能性副腎腺腫、褐色細胞腫、原発性アルドステロン症など)と診断された方の残余血液検体と臨床情報。 |
「難治性副腎疾患の診療に直結するエビデンス創出」研究で試料・情報を活用する目的・方法 |
・目的 ・【方法】 |
「難病プラットフォーム」に試料・情報を共有・提供する目的・方法 |
・目的 ・【方法】 |
試料・情報の管理責任者 |
東京医科歯科大学 分子内分泌代謝学分野 山田哲也 |
試料・情報の管理責任者 |
東京医科歯科大学 分子内分泌代謝学分野 山田哲也 |
現在進行中の関連研究課題で残余生体試料を用いる研究
研究の名称 |
副腎腫瘍のバイオマーカーの探索 |
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当病院の研究責任者 |
京都大学医学部附属病院 糖尿病内分泌栄養内科 稲垣 暢也 |
研究期間 |
2019年3月~2024年3月31日まで |
活用する内容 |
副腎疾患(クッシング症候群、非機能性副腎腺腫、褐色細胞腫など)、腎がんにて合併切除された副腎の組織の残余検体と臨床情報 |
「難治性副腎疾患の診療に直結するエビデンス創出」研究で試料・情報を活用する目的・方法 |
・目的 ・【方法】 |
「難病プラットフォーム」に試料・情報を共有・提供する目的・方法 |
・目的 ・【方法】 |
試料・情報の管理責任者 |
京都大学医学部附属病院 糖尿病内分泌栄養内科 稲垣 暢也 |
試料・情報の管理責任者 |
京都大学医学部附属病院 糖尿病・内分泌・栄養内科 田浦大輔 |
研究の名称 |
副腎腫瘍のオミクス解析 |
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当病院の研究責任者 |
東京医科歯科大学 分子内分泌代謝学分野 山田哲也 |
研究期間 |
2019年3月~2024年3月31日まで |
活用する内容 |
副腎疾患(クッシング症候群、非機能性副腎腺腫、褐色細胞腫、原発性アルドステロン症など)にて切除された副腎腫瘍組織の残余検体と臨床情報 |
「難治性副腎疾患の診療に直結するエビデンス創出」研究で試料・情報を活用する目的・方法 |
・目的 ・【方法】 |
「難病プラットフォーム」に試料・情報を共有・提供する目的・方法 |
・目的 ・【方法】 |
試料・情報の管理責任者 |
東京医科歯科大学 分子内分泌代謝学分野 山田哲也 |
試料・情報の管理責任者 |
東京医科歯科大学 分子内分泌代謝学分野 山田哲也 |
以上